ウルフウォーカーとApple Oneを語りたい | 天狼伝(アーカイブ) 天狼伝(アーカイブ)

ウルフウォーカーとApple Oneを語りたい

やぁ、伏村だ✋
この秋ローンチされたApple One、僕もApple Musicと iCloudドライブ目当てに加入している。
どんなサービスか説明すると、

  • iCloudドライブ50GB
  • Apple Music
  • Apple Arcade
  • Apple TV

の4つのサービスを1つの支払いにまとめられるというサービスだ。
4つのサービスがありながら料金はiCloudドライブとApple Musicの合計より少し安いくらいというコスパの良さ。これは入らないわけには行かないだろう。
これまでiCloudドライブ200GBとApple Musicに加入していた僕は、Apple OneとiCloudドライブ50GBGB(つまりiCloudは100GB使える)を課金して使っている。これでも今までより安く済んでいる。

そしてここからが今回の本題なのだが、これにより僕はApple TVが使えるようになった。
これである映画をさっそく観たのだ。

その名も『ウルフウォーカー』。
アイルランドのキルケニーに伝わる、狼に変身でき、魔法が使える人間という伝承を元にしている。
狼狩りの娘ロビンは偶然にもウルフウォーカーのメーヴと出逢い、そんな相反する立場の2人の交流を描く。
狼と人間の関わり、争い、などなどが美麗なアニメーションと美しい音楽で彩られる。

今回はこの映画について語っていきたい。
核心に迫るネタバレはしないが、ある程度のプロットやエンディングの方向性などを書いていこうと思うので、まだ観ていない人は回れ右して一回映画を観てから改めて来てほしい。








いいかな?では、行くぞ。

ハッピーエンドなもののけ姫

この作品のエンディングについて書いてしまうが、これを雑に説明するならば
『ハッピーエンドなもののけ姫』
といったところだろう。
もののけ姫が好きならきっと響くものがあったはずだ。
自然を伐採して開拓せんとする人間と、その被害を受ける動物、狼たち。
もののけ姫との違いはもののけ姫は対抗し、ウルフウォーカーでは新天地を求めた。が、ある理由で足止めを食らっている状態だった。
しかし人間様はそんな事情など知ったこっちゃなく、どんどん伐採していく。
魔法の力で隠されていた狼の住処までもが人間の暴力
により崩壊させられそうになる。

また、ウルフウォーカーでは人間を脅して伐採をやめさせようとはするが、怪我した者には治癒の魔法を使うなど、人間への優しさも見せていた。
もののけ姫でなら手負の者はまず見殺しにするかとどめを刺したことだろう。

ケルト音楽が最高すぎるんじゃ〜

アイルランドが舞台ということもありケルト音楽がふんだんに使われている今作。
冒頭の街のシーンで
「狼探せ 狼殺せ」と歌う民衆が出てくるのだが、歌詞はともかくメロディはとても良いんよ。楽器の演奏も最高だ。
うん、歌詞は最ッ低だがな!w

ロビンがウルフウォーカーだと分かりメーヴと夜を駆けるシーンで流れる”Running with the wolves”も最&高すぎてな…このシーン、全てが美しいのでまた後で語らせてくれ。

エンディングで流れた”Mébh’s Tune”もザ・ケルトって感じで最高すぎる。

僕は民族音楽が大好きだ。
ケルト音楽、スコティッシュ音楽は勿論、ペルーやアンデスのフォルクローレも大好物だ。
こう、魂が洗われる感覚になるのだ。

今、先程話した”Running with the wolves”をApple Musicで無限リピしながらこの記事を書いているのだが、本当に全ての楽器と美しい歌声が見事なハーモニーを生み出していて、本当に心が浄化される…。
特に太鼓が心地よい。時に脈打つように、時に狼の足音のようにトントコと鳴る太鼓が本当に心地よい。
(MWAMの音楽でもベースとかドラムとかのリズム隊を聴きがち)

女子の絆がふつくしい

1つ告白すると僕は大の百合好きだ。(薔薇もいける)
予告を見てほしい。

1分53秒あたりの、このマズルくっつけ合うシーン!!!
えっっっちすぎる!(こら
スマン、つい本音が出た。
いやでもこれ美しすぎませんか?
これが先程言ったロビンとメーヴが夜を駆けて遊ぶシーンなのだが、その〆にこのシーンが来る。
シーンとしても一瞬なのだが、思わず「あら〜」と呟いたよね。

最初は「街の娘〜」「さっさと帰れ」とロビンを怪訝に扱うメーヴだったが割とすぐ2人は打ち解け、そして狼に返信したロビンをメーヴは暖かく受け入れ、狼としての動き方を伝授する。

しかし2人の絆も怖い大人たちの前では脆くなってしまう。
メーヴの母が人間に囚われてると知ったロビン。
母から「メーヴには狼たちを連れて新天地へ向かってほしい」と伝言を頼まれるが、それを聞いてはくれないメーヴ。
しまいには街に乗り込んできて暴れまくる。
ロビンはメーヴの身を案じ、街の悪ガキに「狼を捕まえた」と言ってメーヴをごっこ遊びの狼役(いじめられっ子が主になる)として閉じ込めさせてしまう。
「貴女を守るためなのよ…」
それはロビンが父から籠の中に閉じ込められやりたくもない仕事をさせられる時にいつも言われていた言葉だった。

そう、この街では護国卿の命に背く者は投獄されてしまう。
ロビンの父も護国卿の命によって狼狩りをしており、ロビンもまた命によって仕事をさせられていた。
ロビンの父に、捕まえていたメーヴの母を殺せと命令が下る。
ロビンは父に言いつけられてその場を去ろうとするが、勇気を振り絞ってメーヴの母を逃した。
一方その頃メーヴは悪ガキから力技で逃れ、狼たちを連れて街へ奇襲をかけようとしていた。

が、メーヴの母が戻ってきたことで奇襲は取りやめ、親子の再会を喜ぶ…

と、いかんいかん、幾ら視聴済みの人向けとはいえあらすじを事細かく書いてはいけないな。
この後もどんでん返しが続くのだが、やはり注目すべきは2人の少女の関係性だ。

百合か?と言われればそこまでの百合百合しさは無いのだが、でも互いを強く思う気持ち、うん、ふつくしい…。

途中の暗いシーンマジでしんどい

ロビンが嫌々ながら仕事をさせられるシーン、これは中々来るものがあったな…。
また長いんだ、このくだりが。
昔の時代だから当然なのだが、「女は炊事場を守るもの」というジェンダー観がバリバリと出ていて、「なんだかなぁ…」となりながら観ていた。
ロビンも女性らしさを押し付けられるよりは外でバリバリに狩りの仕事をしたい派(メーヴとの出逢いで殺すことを考えなくなるが)だったので、さぞ辛かっただろうと思う。

「これを超えればきっといいシーンが来るのだろう…」
そう思いながら耐えた。
そしてちゃんとその辛抱は報われた。

とにかくいい映画だった

総合的に見て「キャラ良し、音楽良し、アニメーション良し」といいことだらけの映画だった。
もし、まだ観てなくてこの記事を読んだ人が万が一にもいるなら、是非観てほしい作品だ!
Apple TVで観られるから!

そんなわけで僕は”Running with the wolves”を口ずさみながら日常に戻るとしよう。