Tales of Purefly
狼が紡ぎ出す物語。
3/11。俺の記憶で1番最新で多大なる被害を与えた災害。
あれから三年という月日が経った。
俺は、何か成長しただろうか。
微力ながらも、祈り、募金をし、そして日々成長していきたい。
そう改めて思った。
そしてそれは彼らにとっても大きな日でもあった。
MAN WITH A MISSIONである。
リーダー、Tokyo Tanaka氏は誰よりも被災地への祈りと、救済の手を差し伸べるべく頑張っていた。
3/11。それは狼達の新アルバム『Tales of Purefly』のフラゲ日である。(リンク先はiTunes)
偶然なのか、それとも見えぬ大きな力によるものなのか。
きっとこれは狼達の強い想いが引き合わせた運命なのだろう、と俺は思っていた。
今回はコンセプトアルバムという、一つのテーマに沿って曲の流れ、順番が組まれている。
いつも同じ曲をヘビーローテーションしている俺だが、今回はアルバム全体をヘビーローテーションすることにした。
「一つのテーマ」ということだが、その曲の中には聴き覚えのある作品もある。
Emotion、Wake Myself Again、database、など。
ベースのKamikaze Boyは「この新アルバムはEmotionを書き上げた時から始まっていた」と言っていた。
確かにEmotionは壮大な音から発せられる力強いメッセージがある。
最初に曲のラインナップを見たとき俺は思った。
「ファンタジーのような冒険物語でdatabaseは浮かないのか?」
と。
databaseは何処と無くサイバーな雰囲気を感じていた俺は若干の違和感を感じていたのだ。
だが、その違和感は再生ボタンを押すと同時に消え失せた。
聞き覚えのある曲はそれまでのイメージから浮いてしまうどころか、その世界観を深く描くのに必要な要素となっていたのだ。
それはどんな場面でもそれぞれの曲を活かせる彼らの力かも知れない。
新たな曲、聞いたことのある曲。
それぞれが今回の物語を心に刻み付けるのであった。
そして初回限定盤についているストーリーブック。
ネタバレはここでは伏せておこう。
だがそれはやはりMWAMらしく、ただの物語ではなくその中に彼らの「メッセージ」が深く刻まれていたのだ。
このストーリーブックを書き上げたKamikaze Boy氏によると物語はボリューム満点のものだったが、出版する際に削られた部分も多いそう。
確かに展開としては早い所もあった。
だが、俺はストーリーブックを読み終えた時、時間としてはそれほど経っていないにも関わらず俺はとても長かった小説を読み終えた時のような感動を味わっていた。
同時に、Kamikaze Boy氏の執筆した物語の全てを、いつの日か、何処かで目にしたいと願って止まなかった。
とても長くなったが(いつものことである)、今回もまた俺にとって最高の作品であった。
バンドという枠に囚われず、ロックというジャンルに囚われず、非常に自由で挑戦的な彼らを、やはり俺は心から尊敬し応援していきたい、と全てを堪能した後に思うのであった。